2024年11月27日
- メンタルヘルス
心理カウンセラー(公認心理師)実践!「効果的な子供のほめ方」/THE MENTAL TALK
こんにちは、認知行動療法カウンセリングセンター広島店スタッフです。子どもの成長を促す上で「褒める」という行為は非常に重要です。今回は、広島県三次市を拠点に「学習支援塾KiT」を運営している公認心理師の古川卓先生に「褒めること」の効果や具体的な褒め方についてYoutube番組「THE MENTAL TALK」で解説して頂きました。このブログでは、その内容をわかりやすく整理し、日常の子育ての中で活かせるヒントをお伝えします。
1. 褒めることの効果について
褒める行為には、子どものモチベーションを高め、望ましい行動を引き出す効果があります。例えば、古川先生が運営する学習支援塾では、子どもたちを褒めることで不適切な行動が減り、学習への意欲が大きく向上するケースが多く見られました。
しかし、大人になると褒められる機会が減り、自分自身も他者を褒めることが少なくなりがちです。そのため、「褒めること」の大切さを知り、適切な褒め方を学ぶことが重要です。
2. 褒めることで生まれる「グッドサイクル」
バッドサイクルとは?
親が子どもの問題行動に対して過度に叱ったり、否定的な言葉を投げかけることが続くと、親子関係がぎくしゃくし、互いに会話や接触を避けるようになることがあります。このような状態では、子どもが親からの関心を得るためにさらに問題行動を取ることもあり、結果として親もさらに叱る頻度が増えるという悪循環、いわゆる「バッドサイクル」に陥る可能性があります。
たとえば、子どもが宿題を忘れた際に「どうしてまた忘れるの!」「いつもちゃんとやらないね!」と叱り続けると、子どもは「自分はダメな人間だ」と感じるようになり、ますます自信を失います。その結果、親の指示を無視したり、意図的に反抗するような行動を取ることもあります。
グッドサイクルとは?
一方で、子どもの良い行動や努力を積極的に褒めることで「グッドサイクル」を作ることができます。具体的には、親が子どもの成功や頑張りを認めることで、子どもは「自分は認められている」「もっと頑張ろう」と感じ、自信を持つようになります。
例えば、子どもが宿題をきちんとやったときに「今日は宿題ちゃんとできて偉いね」「工夫して頑張ったんだね」と声をかけると、子どもは「親に褒められると嬉しい」と思い、その行動を繰り返すようになります。このような積み重ねが、子どもの問題行動を減らし、親子の関係をポジティブなものにしていきます。結果として、子どもは自発的に良い行動を取るようになり、親も子どもの成長を嬉しく思うという良い循環が生まれるのです。
3. 褒め方のポイント
行動を具体的に褒める
「頑張ったね」「よくできたね」といった漠然とした褒め方ではなく、子どもの具体的な行動を観察して褒めることが重要です。例えば:
- 「座って待てたね」
- 「きれいに靴を揃えたね」
- 「文字を丁寧に書いているね」
これらは「観察可能」で「具体的」な行動を褒める例です。
努力を褒める
才能や結果だけではなく、努力や過程を評価することで、子どもは失敗を恐れず挑戦する姿勢を持ちます。例えば、テストの点数が悪かったとしても「この問題を最後まで諦めずに解こうとしたね」と努力を認めることが大切です。
4. 成長的思考態度を育む褒め方
固定的思考態度と成長的思考態度
- 固定的思考態度: 能力は変わらないと考え、失敗を恐れて挑戦を避ける。
- 成長的思考態度: 努力次第で能力は伸びると信じ、失敗を糧に次の挑戦につなげる。
成長的思考態度を育むには、「行動」や「努力」を褒めることが不可欠です。
5. 効果的な褒め方を実践するヒント
肯定的な言葉で褒める
否定文ではなく、肯定的な言葉を使うことで、子どもはポジティブに受け止めます。
- ×:「廊下を走らなかったね」
- 〇:「廊下を歩いてえらいね」
失敗も評価する
失敗そのものではなく、その中で見られる努力や工夫を褒めることで、子どもは次の挑戦に前向きになれます。
まとめ
褒めることは、子どもの自己肯定感を育て、成長を促す重要なスキルです。具体的な行動や努力を観察して褒め、成長的思考態度を育むことで、子どもたちが失敗を恐れず挑戦する力を養うことができます。親や支援者として、「どのように褒めるか」を学び、日々の生活に取り入れていきましょう。
おすすめの実践
- 子どもの行動をよく観察し、具体的に褒める。
- 努力や過程に注目して評価する。
- 失敗の中にもポジティブな要素を見つけて伝える。
ぜひこの方法を試して、親子関係や教育の場で「グッドサイクル」を作り出してみてください!
認知行動療法カウンセリングセンター広島店でも親子関係の悩みに関するカウンセリングを行っております。親子関係でお悩みの方は、是非ご相談ください。
認知行動療法カウンセリングセンター広島店
https://hiroshima.cbt-mental.co.jp/
——登壇者情報——
▼専門家プロフィール▼
古川卓 先生
公認心理師、臨床心理士
一般社団法人KiT代表
Mount Allison大学心理学専攻卒業。精神科病院へ勤務後、現在は小児科病院心理士、市町村の心理相談員、子ども総合支援拠点コンサルタント。2022年6月、学習支援、知能検査、療育相談を行う一般社団法人KiTを設立。ペアレントトレーニング、ティーチャーズトレーニングなども実施している。
◆古川先生の「学習支援塾KiT」はこちら◆
https://support-kit.amebaownd.com/
◆古川先生のYoutubeチャンネル「KiT」はこちら◆
https://www.youtube.com/@kitsup777/featured