不安でしんどい時の対処法｜認知行動療法カウンセリングセンター広島店

こんにちは。 認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。

「胸が苦しい」「考えごとが止まらない」「仕事に集中できない」
不安が強い日は、どうしても心も体も疲れやすくなります。

私たちは日頃から不安に関する相談を多く受けていますが、
不安は「弱さ」ではなく、心の防衛反応として誰にでも起こるものです。

ただし、その反応が強すぎたり長引いたりすると、 行動が制限され、生活に影響が出てきます。

この記事では、認知行動療法（CBT）の視点から
不安でしんどい時に自分でできる対処法をわかりやすくまとめました。

1. 不安とは「身体の反応 × 思考の反応」

不安は「出来事」そのものではなく、
その出来事をどう解釈したかによって形が変わります。

● 身体の反応の例

• 心拍が速くなる
  
• 呼吸が浅くなる
  
• 胃が重い
  
• 手足が冷える
  
• 全身のこわばり
  

● 思考の反応の例

• 「うまくいかない気がする」
  
• 「嫌われるかもしれない」
  
• 「もし倒れたらどうしよう」
  
• 「最悪のことを想像してしまう」
  

「身体」と「考え」の二つが強く結びつくと、 不安が増幅し、長く続きやすくなります。

そのため、対処法も
体を整える／思考を整理する／行動で慣らす
という3つの方向からアプローチすると落ち着きやすくなります。

2. 体から整えるセルフケア（身体反応へのアプローチ）

■ ① ゆっくりした呼吸で自律神経を整える

不安が強い時は「息を吸いすぎる」傾向があり、
これが動悸や息苦しさをさらに強めます。

ポイントは『吐く息を長くする』こと。

例）
4秒かけて吸う → 6〜8秒でゆっくり吐く
これを1〜2分でOKです。

■ ② 筋肉をゆるめる

不安は身体を固くします。
肩・背中・顔のこわばりを一度ぎゅっと緊張させてから、
ふっと力を抜くと、体が緩みやすくなります。

肩を5秒上げる→ストンと落とす
など、簡単な方法で十分です。

3. 思考を整えるセルフケア（捉え方の調整）

■ ① 「状況」と「考え」を分けて書く

例）
状況：会議で発言を求められた
考え：「失敗したらどうしよう」

不安が強い時ほど、この二つが混ざりやすく、
頭の中だけで整理しようとすると混乱しやすくなります。
紙に書いて分けるだけでも負担が減ります。

■ ② 考えを止めるのではなく、広げる

不安思考を無理に変えようとすると、かえって苦しくなります。
CBTでは「別の見方もあるかもしれない」という
柔軟な視点を増やすことを大切にします。

例）
「失敗するかもしれない」
→「緊張しても話せたことはある」
→「準備した内容を読んでもOK」

正しい答えに無理に書き換えるのではなく、
選択肢を増やしていくイメージです。

4. 行動で整えるセルフケア（避けない練習）

不安が強いと、つい避けやすくなります。
しかし、避け続けると「できない感覚」だけが強まり、
ますます不安が大きくなることがあります。

■ ① 小さな一歩でOK（スモールステップ）

例）
・会議が不安 → 発言は1文だけ準備しておく
・外出が不安 → 家の周りを5分だけ歩く
・電話が不安 → 留守電で練習してみる

できる範囲でが大前提です。

■ ② 安心のための「確認行動」を減らす

例）
・不必要な再確認
・SNSの既読チェック
・他者に「大丈夫？」と何度も尋ねる

これらは安心のためにやっているのですが、
結果として不安を長引かせることがあります。

少しずつ減らす練習が不安耐性を育てます。

5. マインドフルネスで「いま」に戻る

不安は未来に意識が向き続けることで強くなります。
意識を「いま、ここ」に戻す練習が役に立ちます。

例）
・足の裏が床につく感覚
・ペンを持つ指先の感覚
・周囲の色（青いものを3つ探す）

頭の中ではなく感覚に集中すると、
不安思考のループから一度離れやすくなります。

6. 生活習慣で不安に強い土台をつくる

• 睡眠の質
  
• カフェインの量
  
• 食事のリズム
  
• 軽い運動
  

これらは不安症の方には特に影響が大きく、
心の基盤を安定させる「土台」となります。

Q＆A

Q1. 不安が強い時、まず何をすればいいですか？

A. 呼吸を整える→状況と考えを書き分ける、の順がおすすめです。
身体反応が落ち着くと、考えも整理しやすくなります。

Q2. 不安を消すことはできますか？

A. 完全に消すことは難しいですが、弱める・扱えることは可能です。
不安をゼロにするより、「不安があっても動ける状態」を目指す方が再発もしにくくなります。

Q3. 自分でやっても改善しない時はどうしたら？

A. CBTの専門家と一緒に、不安のパターンを整理することが効果的です。
一人では難しい部分（安全行動の整理、行動の段階づくりなど）をサポートします。

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