2025年08月30日
- 認知行動療法
広島でうつ病へのカウンセリング

こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。
うつ病は特別な人だけに起こるわけではなく、誰にでも起こり得る心の不調です。日本人の約6〜7%が一生のうちに経験するといわれています。
「気分が沈み、何もする気が起きない」
「楽しみを感じられない」
「眠れない、体が重い」
──こうした状態が続くと、日常や仕事、家庭生活に大きな影響を及ぼします。
当センターでは、科学的根拠に基づく認知行動療法(CBT)を中心に、うつ病からの回復と再発予防を支援しています。CBTは「ただ話を聞く場」ではなく、「実際にやってみる練習の場」であることが特徴です。
うつ病とはどんな状態か
うつ病は、単なる気分の落ち込みではありません。
精神面の変化
- 憂うつ感、悲しみの持続
- 何をしても楽しくない
- 自分を責める考えが強まる
- 集中力の低下
身体面の変化
- 睡眠の乱れ(寝つけない・途中で目が覚める)
- 食欲の低下や過食
- 疲労感、体の重さ
- 胃の不快感、動悸
行動面の変化
- 家事や仕事を先延ばしにする
- 外出や趣味を避ける
- 人との関わりを減らす
これらが互いに影響し合い、「気分が沈む → 否定的な思考が浮かぶ → 行動が減る → 達成感がなくなる → さらに気分が沈む」という悪循環が生まれます。
うつ病のメカニズム:気分一致行動と気分不一致行動
うつ病の悪循環を支えている大きな要素の一つが、気分一致行動です。
- 気分一致行動:気分が沈んでいるから動かない、横になる、避ける。
- その結果 → 気分は一時的に楽になるが、活動は減り、長期的には状態が維持されてしまいます。
これに対し、CBTで大切にするのは気分不一致行動です。
- 気分不一致行動:気分は沈んでいても、あえて小さな行動を取ってみる(5分だけ外に出る、短時間の家事をしてみる等)。
- その結果 → 少し達成感が得られ、気分や認知に変化が生まれる。
うつ病からの回復は、この「気分と逆の行動をあえて取る」という実践を積み重ねることから始まります。
認知行動療法(CBT)は“練習の場”
カウンセリングというと「話を聞いてもらう場所」というイメージが強いかもしれません。
しかし、CBTはそれだけではありません。
- スイミングスクールで泳ぎを練習するように、CBTは“考え方や行動の泳ぎ方”を練習する場です。
- セッションではワークシートや課題を使い、実際に「考えを整理する練習」「行動を試す練習」を行います。
- 宿題(ホームワーク)として日常に小さな課題を持ち帰り、実際にやってみることが支援の中心になります。
つまり、CBTは「聞いてもらって楽になる」だけではなく、「やってみて少しずつ変わる」を大切にするアプローチなのです。
うつ病へのCBTのステップ
① 現状整理
まずは今の状態を細かく整理します。
- 1日の生活リズム
- 気分が落ち込む場面
- 自動的に浮かぶ思考
- 避けてしまう行動
- 身体のサイン(疲労、睡眠の乱れ)
これを言葉や記録にして見える化することで、「何がどのように影響しているのか」が明確になります。
② 心理教育と目標づくり
- うつ病の悪循環(気分・思考・行動・体調が互いに影響する仕組み)を理解します。
- 「気分一致行動」ではなく「気分不一致行動」が改善につながることを学びます。
- 目標は小さく具体的に設定します(例:「朝に5分外に出る」「週1回は家族と食事をする」)。
③ 行動活性化
うつ病のときは「気分が沈んでいるから動けない → 動かないからさらに気分が沈む」という悪循環に入りやすくなります。行動活性化は、この流れを少しずつ変える練習です。
- 1日の行動と気分を記録する
何をしていた時に気分が少し良くなったか、逆にどんな行動で気分が下がったかを見える化します。
→ 例:散歩後に少し気分が軽くなった/ベッドに長時間いたら気分が重くなった。 - 小さく始める
「掃除する」ではなく「机の上の紙を1枚片付ける」など、とても小さな行動から始めます。
「できた」という体験を積み重ねることが、気持ちを持ち上げる力になります。 - 義務と楽しみの両方を入れる
家事や仕事など「やること」だけでなく、音楽を聴く、好きな飲み物を入れるなど「ちょっと楽しいこと」も計画に組み込みます。 - 生活リズムを整える
寝る・起きる時間を一定にする、朝に外の光を浴びる、軽く体を動かすなど、心と体の土台を支える工夫も大切です。
👉 行動活性化は「気分が上がってから動く」ではなく、気分が沈んでいても小さく動いてみることを通して気分を変えていく取り組みです。
④ 認知を整理する
うつ病では「自分はダメだ」「何をやっても失敗する」といった否定的な考え(自動思考)が自然に浮かびやすくなります。こうした考えは一瞬で気分を沈ませ、行動を制限してしまいます。
CBTでは、これを単純に「ポジティブに言い換える」のではなく、整理して距離を取る練習を行います。
- ① 書き出して可視化する
出来事・そのときの考え・気分の強さをシートに書き出し、頭の中のぐるぐるを外に出します。
→ 例:「同僚が挨拶しなかった → 自分を嫌っているのかも → 不安80点」 - ② 考えを点検する
「その考えを裏づける証拠はあるか?」「反対の証拠は?」「他の見方はできるか?」と問いかけていきます。
→ 同僚は単に忙しかったのかもしれない、挨拶を聞き逃したのかもしれない。 - ③ 役に立つ考え方を育てる
「嫌われている証拠はまだない」「まずはもう一度こちらから挨拶してみよう」といった、行動に結びつきやすい柔軟な考えを選びます。 - ④ 距離を取る練習
思考と事実を混同せず、「今浮かんでいるのは“考え”にすぎない」と意識することで、ネガティブな認知に引きずられにくくなります。
この過程を繰り返すことで、「考えに振り回される状態」から「考えを一歩引いて眺められる状態」に変わり、現実的で行動しやすい選択ができるようになります。
⑤ 行動実験
うつ病のとき、人は「どうせ失敗するに決まっている」「人に迷惑をかけてしまう」といった予測を立て、それを信じ込んでしまいがちです。そのために実際の行動を避け、悪循環が続きます。
行動実験は、この「頭の中の予測」を現実の体験で検証する練習です。ポイントは「正しいか間違いかをジャッジする」ことではなく、予測と現実のズレを体験として知ることにあります。
行動実験の流れ
- 予測をはっきりさせる
例:「話しかけたら嫌がられるはず」「外に出たら体が持たない」 - 小さな形で実行する
いきなり大きな挑戦ではなく、「同僚に挨拶してみる」「近所を5分だけ歩く」など、取り組みやすい行動から始めます。 - 結果を観察する
実際に起こったことを書き留めます。
→ 「普通に返事をもらえた」「思ったほど体は疲れなかった」 - 学びをまとめる
「いつも考えている予測は100%ではなかった」「意外と大丈夫だった部分もある」といった気づきを言葉にします。
行動実験で得られる効果
- 予測の思い込みに気づける
「嫌がられるに決まっている」と思っていたが、現実には違ったという体験が増える。 - 行動の幅が広がる
「やってみてもいいかもしれない」という柔軟さが生まれる。 - 失敗も学びになる
たとえうまくいかなくても、「こういうやり方は負担が大きい」とわかり、次の工夫につなげられる。
👉 行動実験は、頭の中で考えをこねくり回すのではなく、小さく試して現実から学ぶ練習です。これを積み重ねることで、「避けていた行動ができる」「思い込みから自由になれる」という変化が起こります。
⑥ 振り返りと再発予防
うつ病は再発しやすい特徴があります。そのため、症状が落ち着いてきた段階で「再発をどう防ぐか」を考えておくことがとても重要です。
- 再発サインをリスト化する
例:睡眠が乱れてきた、自己批判が強くなってきた、人と会うのを避けるようになった。 - 早めにできる対応を決める
サインを感じたときの「最初の一歩」を準備します。
→ 「まずは睡眠記録をつける」「散歩を10分だけでもする」「信頼できる人に連絡する」 - 支えになるリソースを整理する
相談できる人や機関、セルフケアの方法をあらかじめ確認しておきます。 - 再発予防マニュアルを作成
サイン → 取る行動 → 相談先を一冊のマニュアルにまとめ、自分だけの“取扱説明書”として残します。
👉 この準備があることで「また落ち込むかも」という不安が減り、安心して生活を続けることができます。
広島店でのうつ病カウンセリングの特徴
- 認知行動療法を専門とするカウンセラーが対応
- 対面・オンラインどちらでも利用可能
- 完全予約制で安心して話せる環境
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 診断を受けていなくても相談できますか?
→ はい。「うつ病かもしれない」と感じた時点でご相談ください。
Q2. 薬を飲んでいても大丈夫ですか?
→ もちろん可能です。薬とカウンセリングを併用することで、うつ病の改善や再発予防が進みやすくなります。
Q3. どのくらい通えば効果が出ますか?
→ 個人差はありますが、週1回を4〜5か月(16回前後)続けると変化が見えやすいとされています。
ご予約・お問い合わせ
- 認知行動療法カウンセリングセンター広島店
住所:〒730-0853 広島市中区堺町2丁目4-16 堺町Yビル402号室
アクセス:広島電鉄 小網町駅 徒歩1分、土橋駅 徒歩3分
営業時間:10:00〜20:00(完全予約制)
📞 082-555-3570
📩 LINE:https://lin.ee/26sKHRK8
📝 予約フォーム:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
🌐 https://hiroshima.cbt-mental.co.jp/
まとめ
うつ病は「心の弱さ」ではなく、心理と行動の仕組みによって続いてしまう心の不調です。
認知行動療法では、現状を整理することから始め、気分不一致行動を積み重ね、認知との距離を取る練習を重ねることで、回復と再発予防につなげます。
広島でうつ病に悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。
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