2025年08月14日
- 認知行動療法
広島で不登校から再登校へのカウンセリング

〜認知行動療法の視点から考える「再登校」という選択肢〜
はじめに
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。
近年、不登校に関するご相談は全国的に増加傾向にあります。文部科学省の調査によれば、不登校の児童生徒数は過去最多を更新し続けており、保護者や教育関係者からの「どう対応したらよいか分からない」という声も多く寄せられています。
不登校への対応には様々な方法があります。たとえば、
- 家での学習や通信制高校など学校外での学び
- フリースクールや適応指導教室の利用
- 在宅支援型のカウンセリング
- 再登校を目指すアプローチ
など、それぞれの背景や状況によって選択肢は異なります。
今回は、その中でも「再登校」に焦点を当て、認知行動療法(CBT)の視点からどのようなサポートが可能なのかをお伝えします。ただし、「再登校だけが正解」というわけではなく、一人ひとりの状況に合った選択が大切であることもあわせてお伝えします。
不登校と再登校 ― 多様な選択肢の中で
不登校は単なる「学校に行かない」という事象ではなく、その背景にはさまざまな要因が複雑に絡み合っています。
例としては、
- 学校生活での人間関係の不安や緊張
- 授業や課題へのプレッシャー
- 家庭環境や生活リズムの乱れ
- 身体症状(頭痛・腹痛など)や心理症状(不安・抑うつなど)
再登校は、不登校からの一つの出口となり得ますが、必ずしも全員が目指すべきゴールではありません。
学校外での学びや社会参加を選ぶことが、その子にとって最善の場合もあります。
しかし、本人やご家族が「学校に戻りたい」という希望を持っている場合、そのプロセスを安全かつ効果的に進めるための方法の一つが**認知行動療法(CBT)**です。
認知行動療法(CBT)とは
認知行動療法は、物事の受け止め方(認知)や行動パターンに注目し、それらを調整することで気持ちや行動の改善を促す心理療法です。
不登校の場合、学校や教室、先生、生徒などにまつわる不安や恐怖が行動を制限していることがあります。こうした不安を和らげ、行動を少しずつ広げていくためにCBTは有効です。
特に活用されるのが**段階的曝露(エクスポージャー)**です。これは、避けている状況に少しずつ慣れていく方法で、急な「全日登校」を求めるのではなく、本人が耐えられる範囲から小さな一歩を積み重ねることを重視します。
再登校支援におけるCBTの進め方(例)
当センターでは、再登校を目指す場合でも、「全ての人に同じ順序・方法」ではなく、その方の状況に応じて柔軟に進めることを大切にしています。以下は一例です。
1. 現状の整理と心理教育
- 現在の生活リズム、学校への距離感、不安の程度を整理
- 不安の仕組みや、少しずつ慣れることで和らぐプロセスを説明(心理教育)
2. 小さな成功体験を積むステップ
- 学校外での短時間滞在(適応指導教室や図書館など)
- 校門まで行ってみる、知っている先生と短く話す
※できたことは必ず言葉で評価し、自信の積み上げにつなげます。
3. 対人スキルのサポート
- 担任や同級生との会話スキル練習(ロールプレイ)
- 「はい」とうなずくなど無理のない返答方法から練習
4. 段階的な学校環境への曝露
- 別室登校 → 教室後方での参加 → 授業への短時間参加
- 不安度(SUDs)を測定し、下がっていく経験を繰り返す
5. 家族への関わり方サポート
- 不登校行動そのものへの注目を減らし、適応的行動を褒める
- 過干渉を減らし、自立行動を促す
広島でのサポート体制
広島店では、不登校・再登校のご相談に応じた個別カウンセリングを行っています。
当センターは完全予約制で、プライバシーにも配慮した安心できる環境をご用意しています。
所在地
〒730-0853 広島市中区堺町2丁目4-16 堺町Yビル402号室
アクセス:広島電鉄 小網町駅 徒歩1分、土橋駅 徒歩3分
営業時間:10:00〜20:00(完全予約制)
LINE:https://lin.ee/26sKHRK8
予約フォーム:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
Webサイト:https://hiroshima.cbt-mental.co.jp/
よくある質問(Q&A)
Q1. 再登校は必ず目指すべきでしょうか?
A. いいえ。再登校はあくまで選択肢の一つです。本人やご家族の希望、体調や環境に応じて、他の道(通信制・フリースクールなど)を選ぶこともあります。
Q2. どのくらいの期間で再登校できますか?
A. 期間は個人差があります。数週間で戻れる方もいれば、数ヶ月〜1年以上かけて進める方もいます。重要なのは焦らず着実に進めることです。
Q3. 親としてできることは何ですか?
A. 学校に行けないことを責めず、小さな変化や努力を見つけて褒めることです。また、生活リズムを整え、自立に向けた習慣づくりをサポートすることも大切です。
まとめ
不登校からの再登校は、単なる「学校に戻る」こと以上に、本人が安心して学びや社会活動に参加できる状態を取り戻すプロセスです。
認知行動療法は、その道のりを支える有効なアプローチの一つであり、段階的な進め方と家族・学校との連携が重要です。
広島で再登校を目指す方、または不登校への対応に迷っている方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたやお子さんに合った方法を一緒に考えていきましょう。
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