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広島で「うつ」に悩んでいる方へ。
「気分が沈む」「何をしても楽しめない」「以前は好きだったことが喜びにつながらない」――このような状態が続くと、日常生活に大きな影響を与えてしまいます。

近年、注目されているのが「ポジティブ感情トリートメント(Positive Affect Treatment:PAT)」という心理療法です。これは、従来の“ネガティブな感情を減らす”アプローチに加え、“ポジティブな感情を育てる”ことに焦点を当てる新しい認知行動療法の一つです。

こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。
私たちは広島市中区に拠点を構え、地域の皆さまが安心して心の悩みを相談できる場を目指しています。
本日のテーマは「うつへのポジティブ感情トリートメントカウンセリング」。広島でうつに悩む方に向けて、新しいアプローチをご紹介いたします。


うつとポジティブ感情の関係

うつ病の代表的な症状には「気分の落ち込み」「無気力」「集中力の低下」などがあり、これらはいずれも生活に大きな負担となります。朝起きるのがつらい、仕事や学業に集中できない、人付き合いを避けてしまうなど、日常のあらゆる場面に影響を及ぼします。

その中でも、特に見過ごされがちなのが“ポジティブ感情が感じられなくなること”です。

例えば――

このような「ポジティブ感情の低下」は、専門的にはアンヘドニア(快楽消失)と呼ばれます。アンヘドニアは単なる気分の落ち込みとは異なり、心の中で「喜びを感じ取る力」が弱まってしまう状態を指します。

うつに悩む方の中には、「つらさを減らしたい」という気持ちと同じくらい、「もう一度喜びや楽しさを感じたい」という願いを持つ方が少なくありません。だからこそ、うつへの支援にはネガティブな感情を和らげるだけでなく、ポジティブ感情を少しずつ取り戻していくことが大切なのです。


ポジティブ感情トリートメント(PAT)とは

従来の認知行動療法(CBT)は、不安や否定的な思考に注目し、それを和らげていくことを中心としてきました。たとえば「物事を悲観的にとらえるクセ」を整理したり、「不安を強める考え」を検討し直したりすることで、ネガティブな気持ちを改善していきます。

また、うつへの代表的なアプローチとしては行動活性化が知られています。

行動活性化では、「何もしたくない」「ベッドから出られない」といった状態に対し、小さな行動を少しずつ積み重ねることで活動量を回復させます。例えば、「朝決まった時間に起きる」「近所を散歩する」といった日常の行動を取り戻すことから始めます。行動が増えると、外部からの刺激や達成感が増え、気分が改善していくことを狙っています。

しかし、従来の行動活性化は「活動を増やすこと」に重点が置かれており、活動を通じてどのようにポジティブ感情を強く感じられるかまでは十分に扱ってこなかった側面があります。

PATの特徴

そこで登場したのがポジティブ感情トリートメント(Positive Affect Treatment:PAT)です。
PATは、“ネガティブを減らす”ことに加えて、“ポジティブを育てる”ことに焦点を当てています。つまり「悲しみや不安を小さくする」だけでなく、「楽しさ」「喜び」「達成感」「感謝」といった前向きな感情を意図的に増やすことを目指すのです。

従来の行動活性化が「行動量を増やすことで気分を持ち上げる」方法だったのに対し、PATは「その行動の中でポジティブ感情をいかに感じ、育てるか」に重きを置いています。


具体的なアプローチ

① 楽しい活動の計画と実行
日常の中で「少しでも心が動くこと」を探し、計画を立てて実際に行動します。たとえば散歩、音楽を聴く、好きなカフェに行くなど、小さな行動から始めます。「行動する」ことで気分が少しずつ変化し、再び活動を楽しめる土台を作ります。

② 体験を味わう練習
ただ行動するだけではなく、その瞬間に得られる喜びを丁寧に味わい、心に留める練習をします。例えば「景色がきれいだな」「このコーヒーの香りが心地いい」といった感覚を意識的に感じることで、ポジティブな体験がより深く記憶に残ります。

③ ポジティブな意味づけ
「自分が動いたから、この時間を楽しめた」というように、自分の行動を前向きに捉える練習をします。小さな成功体験を肯定的に振り返ることで、「自分にもできる」という自己効力感が育まれていきます。

④ 感謝や親切の実践
日常で「ありがとう」を意識して伝えたり、人にちょっとした親切をしたりすることを積み重ねます。こうした行動は自分自身の気持ちを温め、心の充実感や人とのつながりを育てます。

このようなプロセスを重ねることで、失われがちな「喜びを感じる力」=報酬感受性が少しずつ回復していきます。従来型のCBTが“心のマイナスを減らす”サポートなら、PATは“心のプラスを増やす”サポート。両方を取り入れることで、うつにより閉ざされていた気持ちに小さな光を取り戻していくことができます。

違いのまとめ

つまり、従来の方法が「動くこと」に軸を置いていたのに対し、PATは「動く中でポジティブな感情を育てること」に軸を置いている点が大きな違いです。


認知行動療法との関係

認知行動療法は「考え方と行動が気分に影響する」という前提に基づいています。
ポジティブ感情トリートメントもその一部として位置づけられ、特に「行動活性化」をより“ポジティブ体験の強化”に焦点づけて発展させたアプローチです。

従来のCBTが「不安や落ち込みを減らす」ことを重視していたのに対し、PATは「喜びを取り戻す」ことに主眼を置いています。両者を組み合わせることで、より包括的なうつへのケアが可能となります。


広島で受けられるカウンセリング

当センター広島店では、以下の特徴を持ったカウンセリングを行っています。

「小網町駅から徒歩1分、土橋駅から徒歩3分」というアクセスしやすい立地で、安心してご相談いただけます。

ご予約方法


よくある質問(Q&A)

Q1. ポジティブ感情トリートメントは、どんな人に向いていますか?
A1. 気分の落ち込みが続いている方、楽しさや喜びを感じにくい方、やる気が出にくい方に向いています。日常生活の中で「小さな楽しみを取り戻したい」と考えている方に特におすすめです。

Q2. どんな取り組み方をすると効果的ですか?
A2. セッションで学んだことを日常生活に取り入れ、少しずつ続けていくことが大切です。大きな変化を一度に求めるのではなく、「小さな行動を積み重ねる」ことが、気持ちの安定や前向きさにつながります。

Q3. 相談内容が他人に知られることはありませんか?

A3. ご安心ください。当センターでは守秘義務を徹底しています。ご相談いただいた内容が外部に漏れることはなく、安心してお話しいただける環境を整えております。


まとめ

うつに悩む方にとって、「気分の落ち込みを減らす」だけでなく「喜びを感じられるようになる」ことは非常に大切です。
ポジティブ感情トリートメントは、喜びや意欲を取り戻す新しい認知行動療法のアプローチとして注目されています。

広島でうつに悩んでいる方は、ぜひ認知行動療法カウンセリングセンター広島店にご相談ください。
あなたの心に、もう一度“ポジティブな光”を取り戻すお手伝いをいたします。

参考文献

Craske, M. G., Meuret, A. E., Echiverri-Cohen, A., Rosenfield, D., & Ritz, T. (2023).

Positive affect treatment targets reward sensitivity: A randomized controlled trial.

Journal of Consulting and Clinical Psychology, 91(6), 350–366. NIHMS-1875966.

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