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パニック症というこころの困りごとをご存じでしょうか。パニック症は一生のうち1回以上発症する確率が1.5〜2%あるこころの困りごとです。今回はパニック症とその改善法としてカウンセリングについて解説していきます。

パニック症とは

パニック症(パニック障害)は、突発的なパニック発作が生じ、その後の生活に大きな影響を及ぼす精神疾患の一つです。パニック発作とは、突然の強い恐怖や不安が生じ、それに伴い 動悸、息切れ、めまい、発汗、震え、窒息感 などの身体症状が現れるものです。これらの発作自体は数分から数十分程度でおさまりますが、非常に強い恐怖を伴うため、「また発作が起こるのではないか」と強い不安を抱くことがあります。

パニック症では、この「次の発作への不安」(予期不安)が持続し、発作を避けるために 人混みを避ける、公共交通機関を利用しない、一人での外出を控える などの回避行動が生じます。これにより、日常生活や社会活動に大きな制限がかかることが特徴です。

 認知行動療法(CBT)とは?

認知行動療法ではこころの困りごとを、ある状況における「認知(考え方)」と「行動」の相互作用に注目し、相互作用に働き替えるアプローチです。例えば、以下のような悪循環があるとします。

例:一度パニック発作を経験することで、「パニック発作は命の危険があるものだ」と認識してしまい、パニック発作が生じそうな状況を避けるようになる。

息苦しさを主としたパニック発作を経験した場合には息苦しさが生じそうな場所(閉所など)を危険に感じるようになります。そのためそういった場所に行くのを避けるようになると、次第にいけない場所やできないことが増えてきます。

CBTでは、上記のように生活に支障をきたすパターンを整理し改善策を検討することで日常生活の支障を改善していきます。

パニック症へのCBTの進め方

① 自身のパターンを分析する

まず、自分がどのような状況において予期不安を感じ対処しているのかを整理します。人によってパニック発作は異なり、苦手とする場所やそれに付随する考えや対処が異なってきますので自分自身のパニック症のパターンを整理していきます。

② 認知の検討

パニック発作が生じると対処しようがない、大変なことになる、発作は危険なものだなどさまざまな認知が不安や恐怖心をひきだしそういった危険な場所に行くことを回避するよう促してきます。まずはパニック症の状態を維持する認知を明らかにしてさまざまな角度から認知を検証します。

③ パニック症と向き合う

パニック発作に意識を向けすぎてしまうと過敏になりできないことが増えてしまいます。パニック発作を主とする身体反応や苦手とする場所に自身のペースで接近し身体反応や不安や恐怖などの感情と少しずつ向き合っていきます。例えば息苦しさに過敏な場合にはストロー呼吸などを通して息苦しさを感じてもらい、その不快な感覚と少しずつ向き合っていきます。そうすることで少しずつではありますが危険で圧倒されていた感覚が静まり落ち着いて対処できるようになります。

認知行動療法広島店について

認知行動療法カウンセリングセンター広島店では、パニック症へのカウンセリングを提供しております。臨床心理士・公認心理師が、対面およびオンラインでのカウンセリングを通じて、クライエント様の生活スタイルや価値観を尊重しながら、個別の目標に沿った支援を行います。パニック症の不安を抱える方が、自分のペースで無理なく改善に向かえるよう、丁寧に伴走していきます。お困りの方は、是非ご相談ください。


認知行動療法カウンセリングセンター広島店
https://hiroshima.cbt-mental.co.jp/

——筆者情報——

岡村優希

株式会社CBTメンタルサポート 代表取締役

認知行動療法カウンセリングセンター代表

公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士

個人事業主として私設カウンセリングルームの運営を経て、株式会社CBTメンタルサポートを創業し、メンタルヘルス支援者向けのサービス事業を展開している。主宰しているオンラインコミュニティ『認知行動療法の学校』の会員数は約400名。

さらに、カウンセリングルームを全国に5店舗運営しており、全国展開を目指している。

◆執筆書籍

「臨床心理学 〈123(第21巻第3号)〉 問いからはじまる面接構造論 「枠」と「設定」へのまなざし」金剛出版

「遠隔心理支援スキルガイド」 誠信書房

◆テレビ出演

読売テレビ「かんさい情報ネットten.」2024年7月4日

「あなたの味方!お役に立ちます」のコーナーに高所恐怖克服のための専門家として出演

◆雑誌掲載

「からだにいいこと」 2022年12月号、2023年2月号

◆近年の講演実績

2024年2月21日

広島大学医学部にて「セルフケアに役立つ認知行動療法入門」についての講師

2023年2月9日

NTT PARAVITA株式会社にて「認知行動療法」をテーマとした社内研修の講師

2022年7月6日

筑波大学医学医療系精神医学の勉強会で「パニック症の認知行動療法」についての講師

その他、学会発表多数

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