2025年06月24日
- 認知行動療法
広島でオーバーワークがやめられない方へのカウンセリング

オーバーワーク傾向と認知行動療法の視点からのこころのケア
「忙しくしていないと落ち着かない」
それは“働きすぎ”ではなく、“無理をしすぎる心のクセ”かもしれません
「予定がぎっしり埋まっていないと不安」
「頼まれたら断れない」
「疲れているのに、まだやれる気がしてしまう」
——そんなふうに、自分で自分に負荷をかけすぎてしまう状態、心当たりはありませんか?
認知行動療法カウンセリングセンター広島店には、
「誰かに強制されたわけではないけれど、自分でスケジュールを詰め込みすぎてしまう」
「まわりに“頼られすぎている”というより、断れず引き受けてしまう」
といったご相談がよく寄せられます。
今回は、環境ではなく“自分自身の在り方”によってオーバーワーク状態に陥ってしまうケースをテーマにお話しします。
オーバーワークとは
——働きすぎではなく、“無理の積み重ね”による疲弊
「オーバーワーク(overwork)」という言葉は、「過労」や「過重労働」と混同されやすいですが、
今回取り上げるのは、「自分で自分を追い込む」タイプのオーバーワークです。
- 上司に頼まれたら断れない
- 予定に空白があると落ち着かない
- 休むと罪悪感がある
- 人に迷惑をかけるくらいなら自分がやる
- 助けを求めることに強い抵抗がある
こうした状態は、身体的には元気そうに見えても、心の中では慢性的な疲労が蓄積していることが多く、
「ある日突然動けなくなる」ということも少なくありません。
無理をしすぎてしまう理由
——心の中で“がんばりすぎスイッチ”が入っている
✅ 1.「ちゃんとしなければ」という思考のクセ
- いい加減なことはできない
- 手を抜いたら責任を果たしていないと感じる
- 70点では納得できない
→ こうした完璧志向や義務感が、疲れていても止まれない状態をつくります。
✅ 2.「人の期待に応えたい」気持ちの強さ
- 頼られることが嬉しい
- 「あの人に頼めば大丈夫」と言われると断れない
- 断ったときに嫌われるのが怖い
→ 自分のキャパよりも、相手の評価や印象を優先してしまう傾向です。
✅ 3.「動いていないと不安」という感覚
- 空いている時間に“何かやらなきゃ”と思ってしまう
- 忙しくしていることで安心する
- 休むことに価値を感じられない
→ これは、「行動によって不安を抑える」パターンが習慣化している状態といえます。
オーバーワークが心と体に及ぼす影響
- 疲れがとれにくい/寝ても回復しない
- 感情の浮き沈みが激しくなる(イライラ・涙もろさ)
- 「何のためにやっているんだろう?」という空虚感
- 好きだったことにも興味が持てなくなる
- 予定がない時間に逆に落ち着かない
この状態を続けてしまうと、適応障害やうつ状態に移行する可能性もあるため、
「がんばれてしまううち」に、自分のこころの状態を見直すことが大切です。
認知行動療法によるアプローチ
——“無理をしてしまう仕組み”を整理する
認知行動療法(CBT)では、「自分の気質」や「行動そのもの」ではなく、
“どうしてそうなっているのか”という思考・感情・行動のつながりに注目します。
■ 無理を生み出す思考に気づく
たとえば:
- 「全部こなさないと意味がない」
- 「他人に頼るのは甘え」
- 「断ったら期待を裏切る」
こうした考え方が、どのように自分を追い詰めているかを一緒に言語化し、
「本当にそうだろうか?」という柔らかい検討を行います。
※あくまで「思考を変えなければならない」わけではなく、気づくこと自体が大きな一歩です。
■ “動きすぎ”からの一時停止を体験してみる
「考えるより先に動いてしまう」「止まり方がわからない」と感じる方には、
行動のペースを調整するような関わりが役立つこともあります。
たとえば以下のような方法です:
- あえてスケジュールに「何もしない時間」を入れてみる
- 「断る」「保留にする」といった小さな“止める行動”を試してみる
- 「疲れている」と気づくために、感情記録や体調を振り返る習慣を取り入れる
これらは、行動から調整していくアプローチの一例です。
すべての方に当てはまるわけではなく、負担に感じる方もいらっしゃいます。
そのため、カウンセリングでは無理に何かをすすめるのではなく、
その方の価値観や状態に応じて「今できそうなこと」から一緒に選んでいくことを大切にしています。
■ 「頼っても大丈夫だった」という経験を積む
「人に頼るのが苦手」「全部自分で抱えたほうが気が楽」と感じている方にとっては、
小さな範囲で“人に任せる体験”を試してみることが、負担の軽減や安心感につながる場合もあります。
たとえば:
- 全部ではなく、一部だけお願いしてみる
- 迷っていることを「相談」や「共有」する場面をつくる
- 家庭や職場での役割を見直し、分担し直してみる
こうした試みが、「人に頼っても関係は壊れなかった」「意外と受け入れてもらえた」という、
安心感の積み重ねにつながることもあります。
ただし、人に頼ること自体が強いストレスになる方もいます。
そのような場合には、無理に進めるのではなく、「どんな支え方なら心地よく感じられるか」を一緒に検討しながら進めていきます。
「オーバーワークに気づいたとき」が最初のケアのチャンスです
- まわりは気づいていないけど、もう限界かも
- 助けを求めることにためらいがある
- 一人で対処してきたけど、そろそろしんどい
——そう感じたときこそ、カウンセリングを活用してほしいタイミングです。
あなたの中にある「がんばりすぎスイッチ」が、少しでも休めるように。
そのサポートを、認知行動療法の視点から一緒に考えていきます。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 働きすぎというほどでもないのに、相談していいんですか?
→ はい、大丈夫です。「まだ何とかなっているけど、しんどい」が相談のタイミングです。
Q2. CBTでは必ず考え方を変えるんですか?
→ いいえ。考えを「否定」したり「矯正」したりすることはありません。“気づく”ことが第一歩です。
Q3. オンラインでもできますか?
→ はい、オンライン(顔出しなし・音声のみ対応可)で全国からご相談いただけます。
ご相談はこちらから|認知行動療法カウンセリングセンター広島店
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