2025年09月19日
- 認知行動療法
広島で嘔吐恐怖へのカウンセリング

こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。
当センターは、広島市中区に拠点を構え、地域の皆さまが安心して心の悩みを相談できる場として、認知行動療法(CBT)に専門特化したカウンセリングを行っています。
今回取り上げるテーマは 「嘔吐恐怖(エメトフォビア)」。
「吐いてしまうのではないか」という不安にとらわれ、日常生活に支障をきたしてしまう状態に悩む方は少なくありません。学校や職場、人との関わりに影響が出てしまうこともあり、本人だけでなく家族にとっても大きな負担となります。
この記事では、嘔吐恐怖の特徴や背景、そして当センターで行っている認知行動療法によるサポートについて詳しくご紹介します。
嘔吐恐怖とは?
嘔吐恐怖は、嘔吐そのもの、または嘔吐を連想させる状況に対して極度の不安を感じる状態を指します。
- 「自分が吐くかもしれない」という恐怖
- 他人が吐いている場面を見ることへの強い不安
- 嘔吐の可能性があると感じる状況を避ける行動
これらが積み重なると、外食や公共交通機関の利用、人混みへの参加を避けるようになります。やがて生活範囲が制限され、学業や仕事、家族との時間にも大きな影響が及ぶことがあります。
嘔吐恐怖に見られる主な症状
嘔吐恐怖は、心理的な苦痛に加えて身体的な症状を伴うのが特徴です。
- 身体面の反応:吐き気、腹痛、動悸、発汗、呼吸の乱れ、震えなど
- 心理面の反応:強い不安感、恐怖感、パニック発作、過剰な回避行動
こうした反応は「また吐くのでは」という不安を強め、さらに回避行動を増やしてしまいます。その結果、孤立感や生活の制限が広がり、気持ちの落ち込みにもつながることがあります。
嘔吐恐怖の背景と要因
嘔吐恐怖が生じる要因は人によってさまざまですが、代表的には以下が挙げられます。
- 過去の体験
激しい嘔吐を経験したり、他人が吐く場面を目撃して強いショックを受けたことがきっかけとなる場合があります。 - 制御できない身体反応への不安
嘔吐は完全にコントロールできるものではありません。その「予測できない出来事」に対して強い不安を感じる傾向があります。 - 健康不安の強さ
体調のわずかな変化を「大きな病気ではないか」と結びつけてしまい、不安が増幅して嘔吐への恐怖を強めるケースがあります。
認知行動療法(CBT)による支援方法
当センターでは、嘔吐恐怖へのアプローチとして 認知行動療法(CBT) を中心に取り入れています。
CBTは「考え方」と「行動」に働きかけることで、不安を軽減し、恐怖を乗り越える力を育てる方法です。以下のように進めていきます。
0. 現状把握(アセスメント&ケースフォーミュレーション)
まず最初に、嘔吐恐怖がどの場面で・どの程度・どんな連鎖で起きているのかを丁寧に整理します。
主な観点は次の通りです。
- 生活影響マップ:食事(量・時間・外食の可否)、通勤通学、乗り物、学校/職場、人混み、トイレ・動線、睡眠など。
- トリガーと予兆:匂い、満腹感、体調の揺らぎ、乗り物酔いの記憶、流行情報(胃腸炎ニュース等)、緊張場面。
- 回避と安全行動の棚卸し:特定食の制限、常備品の過剰携帯(袋・ミント等)、座席や場所の固定、動線の事前確認、同伴必須など。
- 身体感覚の把握:吐き気、胃のムカつき、動悸、呼吸の乱れなど“身体信号”と、それに対する解釈のクセ。
- 最悪シナリオの想像と対応案:「止まらない」「恥をかく」「迷惑をかける」等に対し、現実的な対処手順を具体化。
- 測定と目標設定:主観的不安度(SUDs 0–100)の記録、外食回数・公共交通の利用など行動指標、短期/中期の生活ゴール。
1. 段階的暴露
「怖いこと」にいきなり直面するのではなく、小さな一歩から少しずつ慣れる練習を行います。
たとえば「嘔吐」という単語を見ることから始め、慣れてきたら画像や映像を短時間だけ確認し、最終的には実際の場面に挑戦します。
こうして段階を踏むことで「思ったより大丈夫だった」という経験を積み重ね、不安が徐々に和らいでいきます。
2. リラクゼーション技法
不安や緊張が高まったときに、自分で心身を落ち着けられる方法を習得します。
深呼吸や筋弛緩法、マインドフルネスなどを取り入れることで、「不安が来ても落ち着ける」という安心感が生まれます。
このスキルがあることで、暴露練習にも取り組みやすくなり、恐怖と向き合う土台が整っていきます。
3. 認知再構成
嘔吐に関して浮かぶ極端な考え方を整理し、より現実的で柔軟な見方に切り替えていきます。
たとえば、
- 「吐いたら周囲から拒絶されるに違いない」→「一時的に驚かれるかもしれないが、多くの人はすぐに気にしなくなる」
- 「嘔吐は完全に防がなければならない」→「体調次第で誰にでも起こることがあり、それを100%避けるのは現実的ではない」
思考の幅が広がることで、恐怖を煽る要因が減り、不安の波を小さくすることができます。
広島店でのカウンセリング体制
認知行動療法カウンセリングセンター広島店では、以下のような環境を整えています。
- 対面でのカウンセリング(広島市中心部でアクセス便利)
- ご自宅から受けられるオンラインカウンセリング
- 個々の状況や恐怖の度合いに合わせたオーダーメイドのプログラム
「外出に不安がある」「人と会うのが怖い」と感じる方でも、オンラインを通じて安心してご相談いただけます。
嘔吐恐怖を放置しないために
嘔吐恐怖は自然に消えることもありますが、多くの場合は放置すると生活の制限が強まってしまいます。
しかし、適切な支援を受ければ改善は十分に可能です。大切なのは「自分だけで何とかしよう」と抱え込まず、専門的なサポートを受けることです。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 嘔吐恐怖は治るのでしょうか?
A. CBTによる段階的な取り組みで、多くの方が改善を実感されています。恐怖をゼロにすることよりも、生活に支障が出ないレベルまで軽減することを目指します。
Q2. カウンセリングはどのように進むのですか?
A. 初回は不安や悩みを丁寧に伺い、背景や影響を一緒に整理します。その後、安心して取り組めるステップを設定し、段階的に進めていきます。無理に恐怖に直面させることはありませんので、ご自身のペースで安心して進められます。
Q3. 初めての相談でも大丈夫でしょうか?
A. はい。初めての方にも安心していただけるよう、丁寧にご説明しながら進めます。初回は相談のみでも大丈夫ですので、安心してご利用ください。
ご相談・お問い合わせ
認知行動療法カウンセリングセンター広島店
- 住所:〒730-0853 広島市中区堺町2丁目4-16 堺町Yビル402号室
- アクセス:広島電鉄 小網町駅 徒歩1分、土橋駅 徒歩3分
- 営業時間:10:00〜20:00(完全予約制)
- LINE:https://lin.ee/26sKHRK8
- 予約フォーム:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
- Webサイト:https://hiroshima.cbt-mental.co.jp/
まとめ
嘔吐恐怖は「吐いてしまうのでは」という強い不安から、生活に大きな影響を及ぼすことがあります。しかし、認知行動療法による段階的な取り組みで改善は十分に可能です。
広島店では、恐怖を少しずつ克服し、自分らしい日常を取り戻せるよう全力でサポートしています。
「外出が怖い」「嘔吐への恐怖で生活が制限されている」
そのように感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。