2026年08月25日
- 認知行動療法
広島で夏休み明けに学校へ行きたくない子どもへの支援/広島の不登校対策と世界の「学校復帰支援」から考える新学期のメンタルヘルス
こんにちは。
認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。
夏休みが終わり、新学期が始まる時期。
久しぶりに友達に会えることを楽しみにしている子どもがいる一方で、
- 「学校に行きたくない」
- 「朝になるとお腹が痛くなる」
- 「学校のことを考えると苦しくなる」
- 「友達に会うのが怖い」
- 「勉強についていけるか不安」
- 「夏休みが終わってほしくない」
と感じる子どももいます。
保護者の方にとっても、
「休ませていいのだろうか」
「無理にでも登校させた方がいいのだろうか」
「このまま不登校になったらどうしよう」
と、不安になりやすい時期です。
しかし、「学校へ行く・行かない」の二択だけで考える必要はありません。
広島県内でも現在、学校の教室以外の居場所、教育支援センター、スクールカウンセラー、オンラインを活用した学びなど、子どもの状態に応じた複数の支援方法が整えられています。
今回は、夏休み明けに学校へ戻ることがつらくなる理由と、海外の学校復帰支援、さらに広島県・広島市で利用できる支援についてご紹介します。
夏休み明けは子どものメンタルヘルスに注意したい時期
文部科学省が2026年7月に公表した通知では、2009年以降の児童生徒の自殺者数を日別に見ると、8月後半から増加し、長期休業明けの9月1日に多くなる傾向が示されています。
これは単純に「9月1日が危険」という意味ではありません。
重要なのは、
長い休みから学校生活へ戻るという環境の大きな変化が、一部の子どもにとって非常に大きな負担になる
ということです。
学校では、
朝起きる。
決まった時間までに登校する。
教室へ入る。
授業を受ける。
先生や周囲から評価される。
同級生と関わる。
集団のルールに合わせる。
宿題をする。
テストを受ける。
進路を考える。
など、多くのことが求められます。
夏休み中はこれらの負担の一部が少なくなりますが、新学期になると一気に戻ってきます。
そのため、
「学校に行きたくない」
という言葉の背景には、さまざまな理由が隠れていることがあります。
「学校に行きたくない」の中身は一人ひとり違う
子どもに、
「どうして学校に行きたくないの?」
と尋ねても、
「分からない」
「なんとなく嫌」
「全部嫌」
と言うことがあります。
これは珍しいことではありません。
広島県教育委員会も、行き渋りや不登校について、本人自身にも学校へ行きたくない理由が分からなかったり、うまく言葉にできなかったりすることがあると説明しています。
例えば、
- 朝起きることがつらい
- 家から出る瞬間に不安になる
- 校門を見ると苦しくなる
- 教室に入ることが怖い
- 休み時間に一人になるのが嫌
- 特定の友達との関係に悩んでいる
- 先生に注意されるのが怖い
- 授業についていけるか不安
- 宿題が終わっていないことが怖い
- テストや成績が不安
- 進路について考えると苦しくなる
など、複数の問題が重なっていることがあります。
そのため、
「学校が嫌なの?」という大きな質問だけではなく、学校生活のどの場面がつらいのかを少しずつ分けて考えること
が大切です。
世界では「元通り登校する」だけを学校復帰と考えない
海外の学校復帰支援を見ると、共通しているのは、
子ども本人だけに頑張らせない
という考え方です。
例えばオーストラリア・ビクトリア州では、メンタルヘルス上の問題を抱えた生徒が学校に戻る際、
- 安心して話せる人を決める
- 学校内で安心できる場所を用意する
- 授業や課題を調整する
- 調子が悪くなった場合の対応を決める
- 家庭・学校・専門職が連携する
といった支援が行われています。
イギリスでも、強い不安などによって登校が難しくなる状態を「Emotionally Based School Avoidance / Non-Attendance」などと捉え、
「怠けている」「学校へ行く気がない」と決めつけるのではなく、何が登校を難しくしているのかを調べる
という考え方があります。
アメリカでは「School Connectedness(学校とのつながり)」が重視され、
学校の中に自分を気にかけてくれる大人や安心してつながれる場所があること
も、子どものメンタルヘルスを守る重要な要素とされています。
実は広島でも「学校に戻る」以外の選択肢が増えています
こうした考え方は海外だけのものではありません。
広島県でも、不登校の児童生徒に対して、
「とにかく元の教室へ戻す」だけではない支援
が広がっています。
広島県教育委員会には「不登校支援センター」があり、
- 不登校SSR推進校への支援
- 県教育支援センター「SCHOOL“S”」の運営
- 不登校に関する教育相談
- オンライン等を活用した学び
- フリースクールなど民間団体との連携
- 市町の教育支援センターとの連携
などが進められています。
2026年度も、広島県はスクールソーシャルワーカーの配置拡充や、SCHOOL“S”、SSRなどへの支援充実を掲げています。
ここからは、広島で実際に利用できる代表的な仕組みを見ていきます。
広島の支援① 教室に行きづらければ「SSR」という選択肢もある
広島県では、一部の学校で
SSR(スペシャルサポートルーム/校内教育支援センター)
という取り組みが進められています。
これは、自分のクラスに入りづらかったり、集団で授業を受けることに強い不安があったりする児童生徒が、学校内の比較的落ち着いた場所で、その子に合ったペースで過ごしたり学習したりできる仕組みです。
つまり、
「教室へ行く」
か
「学校を完全に休む」
かの二択ではありません。
例えば、
「学校には行けるけれど教室が怖い」
という場合には、校内の別の場所から学校とのつながりを維持することも考えられます。
これは認知行動療法の考え方とも非常に相性があります。
いきなり最も負担の大きいことを求めるのではなく、
本人が取り組める段階から少しずつ行動範囲を広げていく
という方法を検討できるからです。
広島の支援② SCHOOL“S”という学校外の居場所
広島県には、
県教育支援センター「SCHOOL“S”」
があります。
SCHOOL“S”は、広島県内に住む不登校等の小中学生を支援する県の教育支援センターです。
広島県教育委員会はここを、
- 居場所
- 人とつながる場所
- 相談できる場所
- 学びたいことに取り組める場所
として位置づけています。
興味深いのは、
「学校へ行けないなら何もしない」という考え方ではない
ことです。
学校の教室に入ることが難しい時期でも、安心できる場所、人とのつながり、学びとのつながりを維持することができます。
SCHOOL“S”は東広島市八本松南の広島県立教育センター内に設置されています。
広島の支援③ 広島市には6か所の「ふれあい教室」
広島市内にお住まいの場合には、
「ふれあい教室(教育支援センター)」
という選択肢もあります。
2026年4月時点で、広島市は不登校児童生徒の社会的自立を支援するため、市内6か所にふれあい教室を設置しています。
設置されているのは、
- ふれあい教室・中
- ふれあい教室・北
- ふれあい教室・西
- ふれあい教室・安佐南
- ふれあい教室・東
- ふれあい教室・南
です。
市内の複数地域に設けられているため、
「毎日通常の学校生活に戻るのはまだ難しい」
という場合にも、本人の状態に応じて学校以外の場所とのつながりを検討できます。
広島市の不登校支援は、学校復帰だけではなく社会的自立を支援することを目的としている点も重要です。
広島の支援④ 保護者だけで相談することもできる
不登校になると、本人だけでなく保護者も大きな不安を抱えます。
「毎朝起こした方がいいのか」
「学校の話をした方がいいのか」
「休ませすぎではないか」
「ゲームをしているのを注意すべきか」
「このまま学校へ戻れなくなったらどうしよう」
と、対応に迷うことは珍しくありません。
広島県教育委員会では、不登校やいじめについて相談できる
「心のふれあい相談室」
を設置しており、児童生徒本人だけでなく、保護者や教職員も相談できます。
電話だけでなく、来所やオンラインでの相談にも対応しています。
また広島県の不登校支援相談ガイドでも、学校を休み始めて間もない段階から相談してよく、保護者だけでも相談できると案内されています。
広島の支援⑤ 広島市には保護者のための「木の実の会」もある
広島市では、不登校や不登校傾向の児童生徒を持つ保護者を対象とした
「木の実の会」
も開催されています。
これは、保護者同士が不登校についての悩みや不安を話し合い、子どもへの理解や関わり方を深めるための会です。
2026年度は年間44回の実施が予定されています。
不登校支援ではどうしても、
「子どもをどうするか」
ばかりに目が向きがちです。
しかし、保護者が一人で問題を抱え続けると、
「今日こそ学校へ行かせなければ」
「どうして行けないの?」
と焦りが強まり、それが結果的に親子双方の負担を高めてしまうことがあります。
保護者自身が相談できる場所を確保することも、子どもの支援の一部
と考えてよいでしょう。
広島で夏休み明けに「学校に行きたくない」と言われたら
では実際に、夏休み明けに子どもから
「学校に行きたくない」
と言われたらどうすればよいでしょうか。
まず、
「行くか、休むか」をすぐに決める前に、何がつらいのかを一緒に探してみる
ことをおすすめします。
例えば、
「朝起きるところ?」
「家を出るところ?」
「教室に入るところ?」
「授業?」
「休み時間?」
「誰かとの関係?」
「勉強?」
と、小さく分けてみます。
本人が「分からない」と答えても問題ありません。
しばらく生活を観察したり、話を聞いたりすることで、少しずつ見えてくる場合があります。
認知行動療法では「学校に行けない」を細かく整理します
認知行動療法(CBT)でも、
「不登校だから学校へ行く練習をする」
と単純に考えるわけではありません。
例えば、
場面
朝、制服を着て家を出ようとする
↓
考え
「教室に入ったらみんなに見られる」
「休んでいた理由を聞かれる」
↓
感情・身体反応
強い不安、動悸、腹痛
↓
行動
学校を休む
↓
結果
その日は安心する
↓
しかし翌日になると、
さらに学校へ行くことへの不安が大きくなる
という悪循環が起きているかもしれません。
一方で、
- いじめ
- 学習上の困難
- 発達特性
- 睡眠リズム
- 家族関係
- 強い抑うつ状態
- 社交不安
- 強迫症状
などが背景にある場合には、必要な支援は変わります。
そのため大切なのは、
「学校へ行かせる方法」を最初に考えるのではなく、「この子に今何が起きているのか」を理解すること
です。
「学校に行けた=解決」ではありません
もちろん、登校できるようになることは大切な目標の一つです。
しかし、
「学校へ行けているから大丈夫」
とも限りません。
毎日登校していても、
「休み時間が怖い」
「ずっと緊張している」
「誰にも相談できない」
「毎朝、学校がなくなればいいと思っている」
という子どももいます。
反対に、一時的に通常の教室への登校が難しくても、
SSR、教育支援センター、オンライン、家庭、専門家などとつながりながら、少しずつ生活を立て直している子どももいます。
広島県でも、
学校内のSSR、県のSCHOOL“S”、市町の教育支援センター、フリースクール、オンラインなど複数の居場所や学び方
が支援の選択肢として紹介されています。
「以前とまったく同じ状態へ戻る」ことだけを目標にしなくてもよいのです。
よくあるご質問
Q1.広島で子どもが「学校に行きたくない」と言っています。無理に行かせない方がよいですか?
一律に「行かせるべき」「休ませるべき」と決めることはできません。
まずは、何が学校へ行くことを難しくしているのか、心身の状態はどうなのかを確認する必要があります。
広島県内には、通常の教室だけでなく、SSR、SCHOOL“S”、市町の教育支援センターなど複数の選択肢があります。
そのため、「通常登校できるかどうか」だけで考えず、現在の状態でどこならつながれるかを考えることも大切です。
Q2.子ども本人がカウンセリングを嫌がっています。保護者だけでも相談できますか?
はい。ご相談いただけます。
本人がまだ相談する気持ちになれない場合には、まず保護者の方と、
- どのように声をかけるか
- 学校とどのように相談するか
- 朝の対応をどうするか
- どこまで登校を促すか
- 家庭での過ごし方をどう考えるか
などを整理することも可能です。
広島県の公的な相談窓口でも、保護者のみの相談を受け付けています。
Q3.学校やスクールカウンセラーに相談しながら、外部のカウンセリングも利用できますか?
はい。
学校の先生、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、医療機関、公的な教育相談機関などと外部のカウンセリングは、必ずしもどれか一つを選ぶものではありません。
それぞれ役割が異なるため、必要に応じて複数の支援を組み合わせることも考えられます。
特に学校環境の調整については学校との連携が重要ですし、本人の不安や考え方・行動のパターンについては、カウンセリングで整理していくことができます。
広島で子どもの不登校・学校への不安についてカウンセリングをお探しの方へ
認知行動療法カウンセリングセンター広島店では、
- 学校に行くことへの不安
- 不登校・行き渋り
- 人間関係への不安
- 社交不安
- 強い緊張
- 気分の落ち込み
- 学校生活や進路についての悩み
- 保護者の方からのご相談
などについて、認知行動療法の考え方を用いながらカウンセリングを行っています。
「何が原因なのか分からない」
という段階でも構いません。
一緒に、
どの場面で何が起きているのか
を整理するところから始めることができます。
認知行動療法カウンセリングセンター広島店
〒730-0853
広島県広島市中区堺町2丁目4-16
堺町Yビル402号室
広島店WEB
https://hiroshima.cbt-mental.co.jp/
対面カウンセリングのほか、オンラインでのご相談にも対応しています。
まずは事前無料相談をご利用いただけます
「子どもの状態がカウンセリングの対象になるのか知りたい」
「本人ではなく保護者だけで相談したい」
「学校やスクールカウンセラーと併用できるのか知りたい」
「対面とオンラインのどちらがよいか相談したい」
といった場合には、約10分間の事前無料相談もご利用いただけます。
カウンセリングを受けるかどうかは、無料相談後にご検討いただいて構いません。
事前無料相談・カウンセリングお申込フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
おわりに
夏休み明けに、
「学校に行きたくない」
と言われると、どうしても
「明日は学校へ行けるのか」
ということに意識が集中します。
しかし、本当に知りたいのは、
「この子に何が起きているのだろう」
ということではないでしょうか。
広島でも現在、通常の教室だけでなく、SSR、SCHOOL“S”、ふれあい教室、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、民間の支援機関など、さまざまな支援があります。
学校に行くか、休むか。
その二択だけにしなくても構いません。
どの場所なら安心できるのか。
誰なら話せるのか。
何なら今できるのか。
一つずつ整理していくことで、その子に合った学校や社会とのつながり方が見つかることがあります。
認知行動療法カウンセリングセンター広島店でも、お子さまや保護者の方と一緒に、現在の困りごとを具体的に整理し、無理の少ない方法を考えていきます。
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