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はじめに──家族で過ごす日々の中で、悩みや困りごとは自然に生まれるものです

こんにちは。
認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。

ご家族で日々の生活を共にする中では、誰しも小さなトラブルや心配ごとに直面することがあります。
子育てや親子関係、家庭内での役割分担や価値観の違い──どれも特別なことではなく、多くのご家庭で起きうるものです。

その中でも、「子どもの癇癪(かんしゃく)や暴力的な言動」は、ご家族の心を大きく揺らす課題のひとつです。

「どう関わればいいのか分からない」
「これって、育て方の問題なの…?」
「うちの子だけなんじゃないか…」

そう感じながらも、誰にも相談できずに一人で抱えておられるご家族も少なくありません。
今回は、広島で同じように悩んでいる方に向けて、よく知られている対応方法と、それがなぜうまくいかないことがあるのか、そしてカウンセリングがどのように支えになれるのかをお伝えします。


癇癪や暴力は「わがまま」ではなく、子どもからのサイン

癇癪や暴力的な行動が目立つと、「甘やかしすぎ?」「もっと厳しくすべき?」と、つい育て方を見直したくなるものです。

しかし実際には、こうした行動の背景には以下のような要因があることが少なくありません。

こうした理由から、本人の意思で「わざとやっている」のではなく、「どうしてよいか分からない状態」や「助けてほしい気持ち」が、癇癪や暴力という形で表れていることがあるのです。


効果的だと言われる対応はある。でも「うまくいかない」には理由がある

療育や育児書などでは、次のような“効果的だと言われている対応方法”が紹介されることがあります。

✅ タイムアウト(その場から一時的に離れる)

興奮している子どもに「落ち着く時間」を設けることで、自制心を育てる方法です。

✅ 気持ちを代弁して共感する

「悔しかったんだね」「うまく言えなくてつらかったんだね」など、子どもが言葉にできない感情を代弁してあげる方法。

✅ 予告やルールで見通しを立てる

「あと3回滑ったら終わりね」など、あらかじめ切り替えのタイミングを知らせることで、スムーズに次の行動に移りやすくなります。

✅ 落ち着いたあとに一緒に振り返る

癇癪が収まった後に「どうしたら良かったかな?」と整理することで、次回の対応力が育ちます。

これらはいずれも、特定の場面で有効に働くことが多く、多くの療育機関や心理支援の現場でも紹介されている対応です。

しかし──
実際のご家庭では、こうした方法が「分かっていてもできない」「やってみたけどうまくいかない」と感じることも多いのではないでしょうか?


家庭で実践が難しい理由:それはご家族の“やさしさ”ゆえに

対応がうまくいかない理由は、決して“努力不足”や“知識の欠如”ではありません。
むしろ、その根底には、ご家族の深い愛情や配慮があるのです。

こうした気持ちがあるからこそ、たとえ“効果的”だとされる対応でも、実行することが難しくなるのです。

ご家族の「心がついていかない」という壁を超えずに、方法論だけを追ってもうまくいかないのは、当然のことかもしれません。


認知行動療法が支えるのは、「ご家族のこころ」

私たちのカウンセリングでは、認知行動療法(CBT)という心理学的アプローチをベースに、まず「ご家族の気持ち」を丁寧に整えることから始めます。

たとえば──

このように、ご家族の考え方や気持ちに寄り添いながら、今の状況を少しずつ整理し、負担が大きくならない形での対応を一緒に探していきます。


カウンセリングでできること

🧭 1. ご家族の気持ちを整理する

「怒りすぎた」「泣かせてしまった」と自分を責める気持ち。まずはそれを安心して話せる場所をご用意します。


🛠 2. ご家庭に合わせた関わり方の再設計

「タイムアウトが難しい」「共感の声かけが響かない」など、現場の悩みに合わせて、無理のない工夫を一緒に考えます。


📋 3. 行動の記録・振り返り

癇癪のきっかけやタイミングを整理していくことで、「こういうときに起こりやすい」という気づきを得るサポートを行います。


🧑‍🤝‍🧑 4. ご家族内での価値観のずれにも対応

パートナーや祖父母との意見の違い、育児負担の偏りなどについても、必要に応じてご相談いただけます。


よくあるご質問(Q&A)

Q. 子ども本人がカウンセリングを受ける必要はありますか?

A. 多くのケースでは、まずご家族だけでご相談いただいて問題ありません。関わり方が変わることで、子どもにも変化が表れることはよくあります。


Q. タイムアウトがどうしてもできません…

A. タイムアウトはあくまで「選択肢の一つ」です。必ずしも正解ではなく、代わりになる対応方法を一緒に考えていくことが可能です。


Q. 周囲(祖父母やパートナー)との温度差に悩んでいます

A. よくあるご相談です。必要に応じて、ご家族全体のコミュニケーション改善や、心理教育的な情報提供もサポートいたします。


最後に──広島で、家族としての歩みを“整え直す”きっかけに

癇癪や暴力といった行動は、「問題」ではなく「困りごとのサイン」です。
それにどう向き合うかは、“正しい答え”があるわけではありません。

だからこそ、方法論だけでなく、「ご家族の気持ち」や「家庭の事情」に合ったアプローチが必要なのです。

私たちは、癇癪の止め方を一方的に教える場所ではありません。
ご家族と一緒に考え、悩み、実践できる形に整えていく。
そのプロセスを、安心して試せる場所でありたいと考えています。

広島で、家族の関係を少し見直してみたいと思われたとき──
どうぞ、私たちにご相談ください。


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