2025年09月01日
- 認知行動療法
広島でハラスメント対策のためのカウンセリング

こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。
職場におけるハラスメントは、被害を受けた人の尊厳を深く傷つけるだけでなく、組織全体の信頼や生産性を低下させる大きな問題です。厚生労働省の調査によると、過去3年以内にパワーハラスメントを受けたと回答した人は19.3%にのぼり、決して少なくない割合で発生していることが分かります。
こうした背景から、事業主にはパワハラ・セクハラ・マタハラ・ケアハラなどを防ぐ取り組みが義務付けられています。しかし、制度やルールを設けるだけでは不十分です。職場の一人ひとりが認識を改め、日々のコミュニケーションを見直すことが求められます。
当センターでは、認知行動療法(CBT)の考え方を取り入れながら、**「加害しないための視点」「被害を未然に防ぐ環境づくり」**をサポートしています。本記事では、広島における職場でのハラスメント対策の実践的ポイントを紹介します。
職場における代表的なハラスメント
職場で問題視されるハラスメントには、大きく分けて以下の種類があります。
- パワーハラスメント:優越的な立場を利用した暴言・過大な要求・無視など
- セクシュアルハラスメント:性的な発言や身体的接触、執拗な誘いなど
- マタニティハラスメント:妊娠・出産・育児休業を理由に不利益な扱いをすること
- ケアハラスメント:介護休業や時短勤務を理由に不当な扱いをすること
いずれも「受け手の尊厳を害し、就業環境を悪化させる行為」であり、たとえ1回の言動であっても深刻な影響を与える場合があります。
職場でできるハラスメント予防策
法律上の義務として、企業には以下のような取り組みが求められています。
- 相談窓口の設置
社内外に相談しやすい窓口を設け、秘密保持と公平性を徹底する。 - 研修や周知
管理職だけでなく全社員を対象に、具体例を交えた研修を行い、意識を共有する。 - 事後対応の体制
ハラスメントが発生した場合、迅速に調査・対応し、再発防止策を講じる。 - 働きやすい職場環境づくり
制度の利用者(育児休業、介護休業など)に不利益が生じないよう調整し、互いに尊重する文化を根付かせる。
これらは形式的に整えるだけでは効果が薄く、日常のコミュニケーションや職場の風土改善とセットで実施することが重要です。
認知行動療法(CBT)の活用
当センターでは、ハラスメント防止の取り組みにおいて認知行動療法を積極的に取り入れています。CBTは「状況」「思考」「感情」「行動」のつながりを整理し、問題の再発を防ぐための行動変容を支援する心理的アプローチです。ここでは職場でよく見られる事例を交えながら、具体的な支援内容をご紹介します。
1. 現状を整理する
最初に行うのは、「自分にとってどんな場面で、どんな出来事が起き、どう反応したのか」を一緒に振り返り、状況を整理することです。
- 問題になりやすい場面(例:飲み会の終盤、残業が続いたとき)
- そのときの自分の気持ちや考え
- 周囲の人からどう受け止められていたか
このプロセスを通じて、日常の中で繰り返し出ているパターンに気づきやすくなります。まずは「現状を見える化」することが、改善に向けた第一歩です。
2. 考え方のパターンを見直す
現状が整理できたら、次に自分の考え方のパターンに目を向けます。
- 「冗談のつもりだった」
- 「相手も笑っていたから嫌がっていないと思った」
- 「自分も経験したから問題ないだろう」
こうした考えは一見自然に思えても、実際には相手を追い込んでしまうことがあります。カウンセリングでは、これらの受け止め方を一緒に振り返り、「本当にそうだったのか」「相手の立場で見ればどうか」といった検討を行います。証拠を確認するワークや、第三者的な視点を取り入れる技法を通じて、ものの見方を広げていきます。
3. 高リスク状況の把握
ハラスメントは特定の場面で起きやすい傾向があります。
- 飲み会や会食の終盤での不用意な発言
- 長時間労働でストレスが高まった時の感情的な言動
- 指導や注意をする場面での言葉の選び方
カウンセリングでは、こうした「ハイリスク場面」を洗い出し、事前に備える工夫を考えます。たとえば「二次会には参加しない」「苛立ちを感じたら一度深呼吸をする」といった行動プランを作成し、リスクを回避できるよう準備します。
4. 代替行動の習得
「やらない」だけでは十分ではありません。代わりに取れる健全な行動を練習し、実際に使えるようにしていきます。
- 批判ではなく要望として伝える(例:「明日17時までに仕上げてくれると助かります」)
- 身体的な接触の代わりに、言葉で労う(例:「よく頑張ったね」)
- 冗談を言うときは相手の反応を確かめ、拒否のサインがあればすぐやめる
ロールプレイやシミュレーションを通じ、実際の職場に近い状況で練習を行うことで、自然に行動が身につくようになります。
5. 感情のセルフマネジメント
イライラや焦り、不安が強まると、思わぬ言動につながることがあります。そのため、呼吸法やリラクセーション、日々の気分と行動を記録するセルフモニタリングを取り入れ、感情のコントロール力を高めます。感情を落ち着けるスキルは、日常生活や職場全体の人間関係改善にも役立ちます。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 職場の出来事を外部のカウンセリングで話しても大丈夫ですか?
A1. はい。守秘義務がありますので、ご本人の同意なしに情報が外部に漏れることはありません。
Q2. 加害者とされる立場でも相談していいのでしょうか?
A2. もちろんです。「二度と繰り返さないために学びたい」と考えている方への支援は重要です。責める場ではなく、改善の方法を一緒に考える場です。
Q3. 会社に相談しても解決しなかった場合、どうすればよいですか?
A3. 第三者の専門機関に相談することをおすすめします。当センターでも対応可能ですし、労働局の相談窓口も利用できます。
まとめ
ハラスメント対策は「制度」や「規則」だけでは十分ではありません。一人ひとりの認識を変え、行動を改善していくことが、健全な職場環境の鍵となります。
認知行動療法の視点を取り入れることで、「相手を尊重する思考」と「建設的な行動」を具体的に身につけることができます。広島でハラスメント対策に関心をお持ちの方は、ぜひ当センターにご相談ください。
ご相談窓口
認知行動療法カウンセリングセンター 広島店
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