2025年12月15日
- 認知行動療法
ぐるぐる思考が止まらない方へのカウンセリング/認知行動療法カウンセリングセンター広島店
こんにちは。
認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。
「同じことを何度も考えてしまう」
「考えすぎて、何も手につかなくなる」
「頭では分かっているのに、思考が止まらない」
このようなご相談は、当センターでも少なくありません。
いわゆる「ぐるぐる思考」と呼ばれる状態です。
多くの方が
「気にしすぎている自分が悪い」
「もっと前向きに考えなければ」
と、ご自身を責めてしまいがちですが、実際には意思の弱さや性格の問題ではありません。
この記事では、
- ぐるぐる思考がどのように起こるのか
- なぜ止めようとしても止まらないのか
- 認知行動療法ではどのように整理・支援していくのか
について、認知行動療法の視点からお伝えします。
ぐるぐる思考とは何か
ぐるぐる思考とは、
同じ内容を、長時間・繰り返し考え続けてしまう状態を指します。
多くの場合、
- 過去の出来事
- 自分の言動や判断
- 失敗や後悔
といったテーマが中心になります。
特徴的なのは、
- 新しい情報が増えない
- 結論が出ない
- 行動に結びつかない
にもかかわらず、思考だけが回り続けてしまう点です。
「心配」との違いについて
似た状態として「心配」がありますが、整理すると次のような違いがあります。
- ぐるぐる思考:すでに起きたこと・現在の自分について考え続ける
- 心配:まだ起きていないことについて考え続ける
対象は異なりますが、
- 考え続ける
- 行動が止まる
- 気分が重くなる
という点では共通しています。
認知行動療法では、どちらも
「ストレス状況に対する反応のひとつ」として扱います。
問題になるのは「考えていること」より「考え方の使われ方」
考えること自体は、人にとって自然で必要な働きです。
問題になるのは、
- 考える時間が長くなりすぎる
- 行動とのバランスが崩れる
- 考えることで回復や問題解決が進まなくなる
といった状態です。
ぐるぐる思考が強くなると、
- 何をしても頭が休まらない
- 先延ばしが増える
- 気分の落ち込みや不安が強まる
という悪循環に入りやすくなります。
認知行動療法では、ぐるぐる思考をどう捉えるか
認知行動療法では、ぐるぐる思考を
- これまでの経験の中で
- 一時的に役に立ったことがあり
- 繰り返されるうちに習慣化した反応
と捉えます。
たとえば、
「よく考えておかないと同じ失敗をする」
「反省しないのは無責任だ」
といった経験があると、考え続けること自体が安心や安全につながった可能性があります。
その結果、意図しなくても自動的に思考が始まるようになります。
認知行動療法で大切にする視点
認知行動療法でのカウンセリングでは、
- その思考が
- 今の生活で
- 回復や前進に
- どのように影響しているか
という機能面を重視します。
「正しいか」「間違っているか」ではなく、
「今の自分にとって役に立っているかどうか」を一緒に確認していきます。
ぐるぐる思考から抜け出すための考え方
① 具体的に整理する視点
思考が抽象的・全体的になるほど、行動は止まりやすくなります。
カウンセリングでは、
- いつ
- どこで
- 何が起きて
- 自分はどう反応したのか
を、事実ベースで整理します。
これにより、
「考えているだけ」の状態から、
「次に取れる行動」が見えやすくなります。
② 今この瞬間に意識を向ける視点
思考が過去に引っ張られているときは、
体験を通して注意を現在に戻すことが有効な場合があります。
- 体を動かす
- 手を使う作業をする
- 会話や学習に集中する
といった活動は、思考のループを弱める助けになります。
重要なのは、
「気を紛らわせる」ことではなく、
実際の体験に注意が向く構造を作ることです。
③ 自分への関わり方を見直す視点
ぐるぐる思考の背景には、
自分を厳しく評価する内的な声が関わっていることもあります。
カウンセリングでは、
- 自分にどんな言葉を向けているか
- その言葉がどんな影響を与えているか
を整理し、
必要に応じて別の関わり方を探していきます。
生活全体との関係も重要です
ぐるぐる思考は、
- 疲労
- 睡眠不足
- ストレスの蓄積
があると強まりやすくなります。
カウンセリングでは、
思考だけでなく、生活リズムや負荷のかかり方も含めて確認します。
Q&A
Q1. ぐるぐる思考は放っておいても治りますか?
一時的に落ち着くことはありますが、
習慣化している場合は、同じパターンを繰り返しやすい傾向があります。
整理の仕方を身につけることで、再発しにくくなります。
Q2. 考えないようにすれば良いのでしょうか?
無理に止めようとすると、かえって思考が強まることがあります。
認知行動療法では、「止める」よりも「扱い方を変える」ことを重視します。
Q3. カウンセリングでは何をするのですか?
現在の困りごとを整理しながら、
思考と行動の関係を一緒に確認していきます。
説教や無理な前向き思考を勧めることはありません。
おわりに
ぐるぐる思考は、
「弱さ」ではなく、これまで身につけてきた反応の形です。
認知行動療法では、
その反応を理解し、必要に応じて別の選択肢を増やしていきます。
もし一人で整理することが難しいと感じる場合は、
専門家と一緒に考えていくことも一つの方法です。
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