2025年09月30日
- 認知行動療法
広島で不登校へのカウンセリング

不登校は全国的に年々増え続けている深刻な課題です。広島でも同じように、「登校しようと思っても体が動かない」「学校に行く意味を見いだせない」「人間関係に疲れてしまった」「朝になると体調が悪くなる」など、子どもたちの状況は実に多様です。文部科学省の最新データによると、不登校の小中学生は約34万人にのぼり、10年連続で増加しています。もはや一部の家庭に限られた問題ではなく、社会全体で支えていくべき大きなテーマだといえるでしょう。
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンター広島店です。
当センターは、広島市中区に拠点を構え、地域の皆さまが安心して心の悩みを相談できる場所として活動しています。今回のテーマは「不登校へのカウンセリング」。当センターが大切にしている考え方と、認知行動療法(CBT)を活かした具体的な支援の流れをご紹介します。
不登校の背景と現状
不登校は単純に「学校に行かない」ことを指すのではなく、その背後には複雑で多様な要因があります。文部科学省の「COCOLOプラン」でも、不登校の児童生徒が増加し続けており、その背景は一人ひとり異なることが強調されています。
背景には、例えば次のような要因が重なり合っていることがあります。
- 学校生活や学業への不安・プレッシャー
- 友人関係やいじめ、対人関係のストレス
- 発達特性による学びの難しさや環境への適応の難しさ
- 生活リズムの乱れや睡眠問題
- 身体症状(頭痛・腹痛・倦怠感など)を伴う健康問題
- 家庭内での関係性や生活環境の変化
- 「学校に行く意味」を見いだせないといった価値観の揺らぎ
このように、不登校の理由は一つに決めつけられるものではありません。だからこそ、当センターでは「学校復帰」だけを唯一のゴールとせず、その子とご家庭にとって安心できる選択肢を一緒に探していくことを大切にしています。
ある場合は学校復帰を目指す支援が必要ですし、またある場合はフリースクールやオンライン学習といった新しい学びの場を提案することもあります。重要なのは「子どもが自分らしく生活できる環境を整えること」。そのために家族や学校関係者と連携をとりながら支援を進めていきます。
認知行動療法による不登校支援のアプローチ
不登校の支援は、必ずしも「学校に戻ること」だけを目標とするものではありません。子どもが安心して生活でき、自分らしく学べる場を見つけることが大切です。そのうえで学校復帰を目指す場合もあれば、フリースクールや在宅学習など別の形を取ることもあります。
認知行動療法(CBT)の支援では、まず現状を丁寧に整理し、その時点で本人やご家族に必要な方法を一緒に選んでいきます。取り組む方法は一律ではなく、状況に応じて柔軟に組み合わせます。たとえば――
- 認知の整理
「必ず失敗する」「どうせ笑われるに違いない」といった極端な考え方は、不安を強めてしまいます。学校復帰を目指す場合でも、家庭での安心を優先する場合でも、こうした思考を整理し直すことが挑戦への下地になります。 - エクスポージャー(曝露)
不安や恐怖から避けてしまうと、行動の幅が狭まります。エクスポージャーでは「不安があっても何とかやっていける」という体験を重ねます。対象は必ずしも学校に限定されず、「外に出てコンビニまで行く」「家族以外の人と短く話す」といった身近なことから取り組む場合もあります。 - 家庭での関わり方
家族が「できなかったこと」より「少しできたこと」に注目して伝えることは、子どもに安心と挑戦する力を与えます。学校に行ける日を待つのではなく、家庭での小さな変化を認めることが支援の土台になります。 - 生活リズムや日常の安定
睡眠や食事のリズムが乱れている場合は、まず生活を整えることが優先されます。日常の安定が安心感につながり、学びや人との関わりへの準備となります。 - その他のアプローチ
必要に応じて、気持ちの整理方法(感情の扱い方)、対人スキルの練習、問題解決の方法などを取り入れることもあります。
このように、CBTに基づく支援は「決まった形」ではなく、その子とご家族の状況・希望に応じて柔軟に調整していくプロセスです。大切なのは、子どもが「安心できる一歩」を積み重ねていけることです。
地域と連携した支援の重要性
不登校の支援は家庭や学校だけでは十分ではなく、地域全体で取り組むことが求められます。文部科学省は「不登校特例校」や「教育支援センター」の設置を進め、NPOやフリースクールとの連携も強化しています。
「チーム学校」という仕組みでは、教師・スクールカウンセラー・ソーシャルワーカー・養護教諭など、多様な専門家が連携して子どもと家庭を支援します。こうした公的な取り組みと民間のカウンセリングを組み合わせることで、よりきめ細かく、安心感のある支援が可能になります。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 学校に全く行けていません。それでも相談できますか?
A1. もちろん可能です。外出の習慣づくりや生活リズムの安定など、学校復帰以前の段階からサポートします。
Q2. 保護者だけで相談に行ってもいいですか?
A2. はい。保護者面談を通して家庭での対応を整えることも、大切な支援の一部です。
Q3. 不登校からの支援では、どんなゴールを目指すのでしょうか?
A3. ゴールは一律ではありません。学校復帰を目指す場合もあれば、フリースクールや在宅学習など別の学びの場を選ぶこともあります。大切なのは「子どもが安心して生活できること」を基盤に、本人やご家庭にとって納得できる形を一緒に見つけていくことです。
広島店のご案内
認知行動療法カウンセリングセンター広島店
住所:〒730-0853 広島市中区堺町2丁目4-16 堺町Yビル402号室
アクセス:広島電鉄 小網町駅 徒歩1分、土橋駅 徒歩3分
営業時間:10:00〜20:00(完全予約制)
LINE:https://lin.ee/26sKHRK8
予約フォーム:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
Webサイト:https://hiroshima.cbt-mental.co.jp/
まとめ
不登校は「本人や家庭の努力不足」ではなく、誰にでも起こり得る課題です。背景は多様であり、その子にとって何が必要かは一人ひとり違います。認知行動療法を基盤にした支援では、不安や回避に向き合いながら「不安があっても前に進める」という感覚を育てることを大切にしています。
ご家庭と地域が連携しながら、一歩ずつ安心できる未来を築いていくことが可能です。もし不登校でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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