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認知行動療法カウンセリングセンターの岡村です。私たちは東京、大阪、広島、山口、沖縄の5つの地域で、認知行動療法を専門とするカウンセリングルームを運営しています。今回は母子分離不安とその対処方法についてお話ししたいと思います。

母子分離不安とは
母子分離不安とは、愛着関係にある人から離れることに対する過剰な不安や恐怖を感じ、離れることに抵抗や拒否を示す困りごとです。この問題は子どもだけでなく、成人も悩むことがあります。分離不安が一定程度あるのは自然なことですが、日常生活に支障をきたすほど深刻な場合、分離不安症という心の問題に発展することもあります。

分離不安の原因はさまざまです。遺伝や生物学的要因だけでなく、離婚や引っ越し、恋人との別れなどの喪失体験も影響を与えることがあります。約4%の子どもが半年から1年間にわたって分離不安に苦しむとされています。

母子分離不安の実態
・保護者が見えなくなると不安を訴え、泣きながら探し続ける
・一人で学校に行けない
・離れることに対する不安が消えない
・母親が一人で外出するのを拒否する
・就寝時に家族が側にいないと眠れない

不安と安心のバランス
不安を感じることは誰にでもあります。不安なとき、近くに誰かがいればそれだけで安心できますが、一人になると再び不安になることがあります。一人になると不安が増すため、その状況から逃れようとします。しかし、人が戻ってくると再び安心します。こうして、分離不安が定着していくのです。私も2歳の娘の父親ですが、彼女が不安そうにしているとつい近づいてしまいます。これは悪いことではありません。これは親子の大切な交流です。しかし、時には不安を感じながらもそれを克服する経験が必要です。子どもが不安そうにしているときに、ただそっと見守ることが大切です。「親」という漢字は木に立って見ると書かれます。時にはそうした接し方も必要です。重要なのは、子どもが不安を感じているのと同じように、大人も不安を感じていることです。少しずつで構いません。不安は必ず安心に変わります。その結果、活動範囲が広がり、さまざまな体験ができるようになるでしょう。

母子分離不安のカウンセリング
一人で対処できるという実感が得られると、それが安心感につながります。私はまず、子どもが数秒でも一人で過ごせている瞬間を見つけます。母親がトイレに行っているときなど、そのような短い瞬間です。その時に、子ども自身に「すごいね、〇秒も一人で過ごせたね!」と伝えます。この瞬間が、一人で過ごせない子ではなく、

一人で過ごせる子であることを周囲が認識するきっかけとなります。また、「君はこれからどうなりたいの?もっとパワーアップしたい?」などと、子どものニーズを確認します。同時に、「ご家族はお子さんにどうなってほしいですか?」と家族のニーズも確認します。双方のニーズが一致し、両者が無理なく調和できる場合、分離不安に関するカウンセリングを開始します。そして、「離れることは永遠に別れることではなく、戻ってくること」を繰り返し伝えます。その後、数十秒間、家族から離れた状況を作り出します。その間、子どもには自由に遊んでいただきます。再会の際には、喜びを共有します。うまくいかなくても、途中までできたことを評価します。こうしたプロセスを繰り返すことで、子ども自身が次に何をすべきかを決定するようになることもあります。重要なのは、お互いに信頼し合うことだと私は考えています。できないことをできるようにするのではなく、できることを見つけてそれを増やしていくのです。

認知行動療法カウンセリングセンター
私たちの認知行動療法カウンセリングセンターでは、母子分離不安に対するカウンセリングをオンラインや対面で行っています。一人で対処が難しい場合は、ぜひご相談ください。さまざまな割引制度もご用意していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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